収集癖
どうしたって集まってきちゃうんだ
困ったように君が笑う
流れていくものの中に
すれ違うだけのものに
遠くの声に
足を止めずとも
いつの間にか
集めていたものが
青を染めてしまう
寝っ転がったままで
ただの帰り道に
通りの向こう側に
繋いだこともない手から
いつの間にか
拾い集めていたものが
赤を染めてしまう
気が付かないんだな君は
いつも泣きそうになって
驚いたように見渡す
空をおおう雲は
いつでも雨を降らせそうに
君の頭上を埋める
困ったように君がまた笑う
誰かの発する何かは
誰のもの
あの声は
誰のも
ぎゅっと握りしめた手をゆるめて
集めたひとつひとつをそおっと放して
あの青を
あの赤を
君が戻すんだ